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『解離性同一性障害』とは <その3>

子供の頃の何らかの精神的苦痛から逃れるため描いた「自分じゃない"他人"」。

この"他人"が後々、独立した人格を持ち『他人格』となってくるのですが、その存在を主人格は知りません。主人格が知らず知らずのうちに、いつの間にか他人格が成長していきます。

主人格が自分で作り出した"他人"とはいえ、それはまだ無力だった子供の頃のことで、心身ともに成長するにつれ、この"他人"に頼らなくとも自分の力である程度のことは乗りこえられるようになり、それまで身代わりとなってくれていた"他人"の存在を忘れるようになっていきます。

しかし、その頃にはすでに「精神的苦痛を回避する→身代わりに頼る」という防衛システムが、その人の脳の中で出来上がっているのかもしれません。

忘れられた"他人"は、その子が成長したあと、ある日突然『他人格』となって表に出てきます。

身体は同一ですが主人格とは別の人格なので、性格はもちろん、考え方や話し方、しぐさもそれぞれ違います。そして、「身体は同一」といえども顔つきや表情も変わってきます。

よく「別人を演じているんでしょ?」という見解を聞いたりしますが、もしあなたが別人を演じるとした場合、その別人の性格や言葉づかい、そして思考などを何年間も、しかもまったくぶれずに演じることができるでしょうか?ときどき多重人格者になりきっている人がいたりするようですが、実際に解離性同一性障害の他人格たちと接し続けてみると、「演じる」というだけでは筋が成り立たないということに気付かされます。

昔の話で、ある日突然、別人のようになってしまった人のことを「狐が乗り移った、憑依した」と言っていたようですが、これも解離だった可能性があるとも言われています。